取組の見どころ

9/15 三日目・幕内全20番|立合いの次、どこを見る?

九月場所三日目、幕内のみどころ。ミニチュア力士二人と土俵下の小さな筆者
AIによる観戦イメージです。

九月場所三日目。今日は全20番について、土俵で見る場所を一つずつ決めてみました。技の名前を全部覚えていなくても大丈夫。右手、左の肘、次の一歩。そこを追うだけで、決まり手がつく前の数秒が気になってきます。

星は二日目終了時点、組合せは日本相撲協会の三日目取組表で確認しました。得意技は各力士の公式プロフィールが根拠です。本文の「見たい」は観戦の着眼点で、これから起きる展開を断定するものではありません。

01 大青山関―時疾風関

三連勝への入口は、右か、左か。

大青山関 2勝0敗/時疾風関 2勝0敗

幕内の最初の一番に、十両の大青山関が登場します。相手は時疾風関。ともに二連勝で迎えるので、ここで白星を三つ並べられるのは一人です。

大青山関は右四つ、時疾風関は左四つが得意。右四つとは自分の右腕を相手の左脇の内側へ入れる組み方で、左四つはその逆です。組もうとすると、同じ側の狭い隙間を二人が取り合います。

まずは、ぶつかった直後にどちらの肘が相手の体へ近づくか。次に、その腕を入れたまま足を前へ運べるかを見たいです。「まわしを取った!」の少し手前にも、こんな攻防があります。

公式プロフィール:大青山関/時疾風関

02 朝翠龍関―寿之富士関

新入幕同士。押す腕と、まわしへ伸びる腕。

朝翠龍関 2勝0敗/寿之富士関 1勝1敗

九月場所でそろって新入幕した二人が、三日目に顔を合わせます。朝翠龍関は二連勝、寿之富士関は一勝一敗。入幕したばかりの二人を並べて覚えるにも、気になる一番です。

朝翠龍関の公式プロフィールにある得意技は「押し」。寿之富士関は「右四つ・寄り・上手投げ」です。そこで今回は、二人の胸の間に隙間が残るかを見てみませんか。朝翠龍関が押し続ければ距離ができ、寿之富士関がまわしへ手を届かせれば距離は縮まります。

腕だけでなく、押したあとに足が一歩ついてくるかも注目です。押しと四つの切り替わる瞬間を拾えると、勝負が決まる前からぐっと面白くなります。

公式プロフィール:朝翠龍関/寿之富士関

03 湘南乃海関―千代翔馬関

同じ左四つでも、欲しいまわしは先着一名。

湘南乃海関 0勝2敗/千代翔馬関 0勝2敗

二日目を終えて、二人ともまだ白星がありません。だからこそ、勝った瞬間だけでなく、最初に自分の形をつくれるかを追いかけたい一番です。

湘南乃海関も千代翔馬関も、得意技に左四つ・寄りを挙げています。お互いの左腕が相手の右脇に入れば、組み方は同じ。そこで次に気になるのが、外側に残る右手です。相手の腕の外からまわしをつかむ「上手」を、どちらが先に取れるでしょう。

左腕が入っただけで安心せず、右手の位置と腰の距離まで見てみてください。つかめたのに体が遠い、逆に手が届く前に寄られる。組んでからも、小さな違いが見えてくるはずです。

公式プロフィール:湘南乃海関/千代翔馬関

04 翔猿関―阿炎関

押し合う二人の、足元を見たい。

翔猿関 0勝2敗/阿炎関 0勝2敗

翔猿関と阿炎関は、ともに初白星を目指す三日目。公式の得意技は、翔猿関が押し、阿炎関が突き・押しです。「押し相撲同士なら力比べ」と見始めても、足元に目を移すと別の面白さがあります。

注目したいのは、相手の正面に立ち続けられるか。前へ出る手の動きに合わせて足も運べれば、続けて押す姿勢をつくれます。一方が横へ動いたとき、もう一方が体の向きを合わせ直せるかも見どころです。

最初は顔や上半身に目を奪われますが、今日は一度だけ足を追ってみたいです。どちらが押したかに加えて、どちらが先に向きを変えさせられたか。勝負の見え方が少し変わります。

公式プロフィール:翔猿関/阿炎関

05 朝紅龍関―正代関

右腕を入れた、その先まで。

朝紅龍関 2勝0敗/正代関 0勝2敗

朝紅龍関は二連勝、正代関は初白星を狙う一番です。朝紅龍関は押し・右四つ・寄り、正代関は右四つ・寄りが得意。二人とも組む相撲を持っているから、まわし争いになったときの続きを見たいです。

右四つでは、右腕を相手の左脇へ入れます。ここから左手が相手のまわしへ届くか、相手に先につかまれないか。腕が一本入っても、まだ形づくりは終わりません。

今日は右腕の位置を確かめたら、次に二人の腰を見てください。胸は近づいているのに腰が離れているのか、体を寄せて前へ進めるのか。「組んだ」の中にも段階があると分かると、動きの小さな時間まで気になります。

公式プロフィール:朝紅龍関/正代関

06 若元春関―朝白龍関

左を入れたい。右を入れさせたくない。

若元春関 1勝1敗/朝白龍関 2勝0敗

若元春関は一勝一敗、朝白龍関は二連勝で迎えます。若元春関の得意は左四つ、朝白龍関は右四つ。同じ「寄り」が得意でも、好きな腕の入れ方は逆です。

若元春関が左腕を差そうとする場所では、朝白龍関も右腕を内側へ入れようとします。このように得意な組み方が逆の相手との相撲を、けんか四つと呼びます。言葉は少し物騒ですが、見たいのは肘と脇の細かな取り合い。

どちらの肘が先に相手の体の内側へ入るか。入れられた側が、すぐ差し直せるか。まわしを握って止まって見える時間にも、二人が欲しい形は違います。その違いを知って待つと、一歩が出た瞬間に理由を探したくなります。

公式プロフィール:若元春関/朝白龍関

07 金峰山関―獅司関

大きな二人。押す手より、次の一歩。

金峰山関 2勝0敗/獅司関 0勝2敗

二連勝の金峰山関に、初白星を目指す獅司関。公式プロフィールでは、身長は金峰山関194cm、獅司関193cmです。並ぶと迫力のある二人ですが、今日は大きさの先にある動きを見たいです。

得意技は金峰山関が突き・押し、獅司関が押し。注目するのは、一度押したあとに足が相手へ近づくかどうかです。腕だけが伸びた状態と、足も運んで押し続ける状態では、次の攻め方が変わります。

もう一つは、押される側の肩がどちらかへ向く瞬間。向きが変わったあと、正面へ戻れるでしょうか。大きな衝突だけで終わらず、その次の小さな一歩まで追うと、二人の相撲をもう少し近くで見られそうです。

公式プロフィール:金峰山関/獅司関

08 宇良関―王鵬関

近づきたい宇良関、押す距離を保てる王鵬関?

宇良関 1勝1敗/王鵬関 1勝1敗

一勝一敗同士の対戦。宇良関の得意技には押し・足取り、王鵬関には突き・押しが並びます。宇良関だから珍しい技が出る、と決めつけて待つにはもったいない組合せです。

まず見たいのは、王鵬関の手と宇良関の頭の位置。王鵬関が正面から押す形を続けられるか、宇良関がその腕の内側へ近づくか。この距離の取り合いを見ておくと、組んだ場合も離れた場合も流れを追いやすくなります。

もし宇良関の手が低い位置へ伸びたら、王鵬関の足と腰も一緒に見たいです。技が決まるかどうかだけでなく、相手が何を警戒して姿勢を変えたか。そこにも、この一番を楽しむ手がかりがあります。

公式プロフィール:宇良関/王鵬関

09 平戸海関―錦富士関

近づいてから始まる、右と左の取り合い。

平戸海関 1勝1敗/錦富士関 0勝2敗

平戸海関は一勝一敗、錦富士関は初白星を目指します。平戸海関は突き・押しに加えて右四つ・寄り、錦富士関は左四つ・寄りが得意です。

ぶつかった直後は、平戸海関が押して距離をつくるのか、そのまま組み合うのかを見たいところ。組めば、平戸海関の右腕と錦富士関の左腕が、同じ側の内側を取り合うことになります。二人の腕が重なって見えたら、肘が体へ近いのはどちらかに注目です。

そして腕が入ったあと、足が相手へ進むか。差し手を取ったことと、前に出られることは別の場面として追ってみます。最後の寄りだけでなく、寄れる形になるまでを見たい一番です。

公式プロフィール:平戸海関/錦富士関

10 藤青雲関―尊富士関

二連勝同士。胸の間に隙間は残る?

藤青雲関 2勝0敗/尊富士関 2勝0敗

藤青雲関も尊富士関も、ここまで二連勝。三つ目の白星をかける一番です。公式の得意技は藤青雲関が右四つ・寄り、尊富士関が突き・押し。組みたい相撲と、押して運びたい相撲の違いから見てみます。

最初の注目は、藤青雲関の右手がまわしへ近づけるか。尊富士関の手が胸元へ当たる位置にあれば、藤青雲関はそこを越えて体を寄せる必要があります。右腕が入る前に土俵際へ運ばれるのか、組んでからの攻防になるのか。

勝負が短く終わった場合も、できれば最初の一歩をもう一度。どこで二人の距離が決まったかを探すと、「速かった」の中にも見逃したくない仕事が見つかります。

公式プロフィール:藤青雲関/尊富士関

11 一山本関―欧勝馬関

押す方向が変わったら、足はついてくる?

一山本関 0勝2敗/欧勝馬関 1勝1敗

一山本関は初白星を、欧勝馬関は二つ目の白星を狙います。一山本関の得意は突き・押し。欧勝馬関は押しに加えて、いなしを挙げています。

いなしは、相手の体を横などへ向けて、進む方向や姿勢を崩す動きです。今日は一山本関が前へ出たとき、欧勝馬関が正面で押し返すのか、向きを変えようとするのかに注目したいです。もちろん、いなしが出ると決まっているわけではありません。

もし二人の向きがずれたら、その直後の足元を。押す側が追い直せるか、動いた側が先に正面を取るか。突っ張りの回数を数えるより、一度離れた二人が次にどこへ立つかを見ると、攻防がつながって見えてきます。

公式プロフィール:一山本関/欧勝馬関

12 狼雅関―朝乃山関

右四つ同士。左手の行き先を追いかける。

狼雅関 1勝1敗/朝乃山関 2勝0敗

狼雅関は一勝一敗、朝乃山関は二連勝。二人とも、公式プロフィールの得意技に右四つ・寄りが入っています。右腕を差す形になったら、今日は反対の左手を追ってみたいです。

相手の腕の外からまわしをつかむのが上手。同じ右四つでも、左上手を取れているか、手が届いていないかで形は違います。つかむ場所が前に近いのか、背中側に回っているのかも、見えたら気にしてみてください。

そのあと、まわしを持ったまま足を進めるのはどちらでしょう。「二人とも組むのが得意」だからこそ、組んだ瞬間で見るのをやめたくありません。腕一本の位置が、一歩を出せる形につながるのかを見守ります。

公式プロフィール:狼雅関/朝乃山関

13 美ノ海関―義ノ富士関

最初に入りたい脇が、重なっている。

美ノ海関 1勝1敗/義ノ富士関 0勝2敗

美ノ海関は一勝一敗、義ノ富士関は初白星を求める三日目です。得意な組み方は、美ノ海関が左四つ、義ノ富士関が右四つ。どちらも寄りを得意にしていますが、そこへ向かう腕の入れ方が逆です。

美ノ海関の左腕と義ノ富士関の右腕が取り合う場所を、一か所だけ見てみてください。先に内側へ入るのか、相手の腕を外へ押さえるのか。まわしをつかむ前から、自分の形を求める攻防を追えます。

相手に腕を入れられたあと、差し直す動きがあるかも気になります。一度組んだから完成、とは限らないところが面白い。形が変わった瞬間に、次に前へ出るのはどちらかと目が離せなくなる一番です。

公式プロフィール:美ノ海関/義ノ富士関

14 伯乃富士関―藤凌駕関

初白星を取りに。押し合いの次を見たい。

伯乃富士関 0勝2敗/藤凌駕関 0勝2敗

ともに二敗で迎える一番です。伯乃富士関の得意技は突き・押し・左四つ・寄り。藤凌駕関は押しです。初白星の行方と一緒に、押し合いから形が変わるかを見てみます。

藤凌駕関が相手の胸へ手を当てて進めるのか、伯乃富士関が左腕を内側へ入れて近づくのか。押す形が続く間は二人の間隔を、腕が差し込まれたらまわしへ伸びる手を追う、という見方です。

足にも注目したいです。押されて下がった側が、どこで足を止めて押し返そうとするか。白星がほしい二人だからこそ、気持ちを勝手に代弁するのではなく、土俵に出た一歩一歩をしっかり見届けたいと思います。

公式プロフィール:伯乃富士関/藤凌駕関

15 豪ノ山関―藤ノ川関

押したあと、もう一度正面に立てるか。

豪ノ山関 1勝1敗/藤ノ川関 1勝1敗

一勝一敗同士の対戦です。豪ノ山関は突き・押し、藤ノ川関は押しが得意。ぶつかる瞬間に加えて、二人の肩が向く方向を追ってみたい一番です。

両肩が相手へ向いたままなら、正面から次の押しを出す形をつくれます。横へずれたときには、足を運んで相手を追い直す動きが必要です。どちらが先に横を向かされるのか、向きが変わっても押す手が止まらないのか。

腕の速さだけを見ようとすると忙しいですが、肩の向きなら追いやすいかもしれません。いったん離れた場合には、次に当たる位置も見たいです。押して、離れて、また押す。その合間の一歩に何があったかを探すつもりで観戦します。

公式プロフィール:豪ノ山関/藤ノ川関

16 熱海富士関―隆の勝関

二連勝同士。右腕が届くまで、押し続けられる?

熱海富士関 2勝0敗/隆の勝関 2勝0敗

熱海富士関と隆の勝関、ともに二連勝で迎えます。熱海富士関の得意は右四つ・寄り、隆の勝関は押し。三連勝の行方を、二人の距離から追ってみたいです。

熱海富士関が右腕を相手の内側へ入れ、体を近づけられるか。隆の勝関が胸元を押して、まわしを取らせずに進めるか。最初に見る場所は、隆の勝関の押す手と、熱海富士関の右肘の間です。

組む形になったとしても、まだ続きを。押す側がすぐ手を当て直すのか、組む側が足を進めるのか。一度の接触から次の形が生まれるところを見ておくと、最後の決まり手までの道筋を自分でも追えます。

公式プロフィール:熱海富士関/隆の勝関

17 大栄翔関―琴櫻関

突き放せるか。近づいて受け止めるか。

大栄翔関 0勝2敗/琴櫻関 2勝0敗

大栄翔関は初白星を、琴櫻関は三連勝をかけて土俵へ上がります。大栄翔関の得意は突き・押し。琴櫻関は右四つ・寄りに加えて押しも持っています。

そこで最初は、大栄翔関が突いたあとも前へ進む距離を確保できるかに注目したいです。琴櫻関が押し返せば押し合いに、右腕を差して体を寄せれば組んでの攻防へ。どこで形が変わるかを見たい組合せです。

琴櫻関が腕を入れようとしたとき、大栄翔関が次の突きを出せる位置に立っているか。手の動きと足の位置を一緒に追ってみます。「押し切った」「組み止めた」のひと言になる前に、二人が何度触れ直したかまで気になる一番です。

公式プロフィール:大栄翔関/琴櫻関

18 霧島関―高安関

大関戦が続く高安関。今日は距離から見る。

霧島関 2勝0敗/高安関 0勝2敗

高安関は初日が琴櫻関、二日目が安青錦関。そして三日目は霧島関と、大関との対戦が続きます。ここまで二敗の高安関に対し、霧島関は二連勝です。

公式の得意技は、高安関が突き・押し、霧島関が左四つ・寄り・投げ。まずは霧島関の左腕が、高安関の右脇の内側へ入れるかを見たいです。高安関はまわしを取らせず、押す距離を保てるでしょうか。

もし組めば、霧島関の外側の手と腰の位置へ目を移します。投げが出るかを待つだけでなく、相手を動かそうとする前にどんな持ち方になったか。高安関がその形をほどく動きも含めて、腕一本から追いかけます。

公式プロフィール:霧島関/高安関

19 安青錦関―琴勝峰関

同じ右四つ。まわしを持った手に差が出る?

安青錦関 2勝0敗/琴勝峰関 0勝2敗

安青錦関は二連勝、琴勝峰関は二敗で迎えます。琴勝峰関は霧島関、大の里関に続き、三日目も大関との対戦です。ここで取りたい初白星の行方を見守ります。

二人の公式プロフィールには、どちらも右四つ・寄りとあります。お互いの右腕が入ったら、まず左手に注目。相手の腕の外からまわしを取る上手を先に持てるのはどちらでしょう。

次は二人の胸と腰の間隔です。まわしをつかんでも、相手を引きつけて近づけるか、腰が離れたままかでは姿勢が違います。右を差した、左でつかんだ、足を出した。この順番を追うつもりで見ると、じっと組んだ時間にも変化を探せます。

公式プロフィール:安青錦関/琴勝峰関

20 大の里関―琴栄峰関

結び。右腕を入れる場所を譲らない。

大の里関 2勝0敗/琴栄峰関 1勝1敗

三日目の結びは、二連勝の大の里関と一勝一敗の琴栄峰関です。大の里関は突き・押し・右四つ・寄り、琴栄峰関は右四つ・寄りが得意。今日は大の里関が押して運ぶのか、右を差すのかを最初に見たいです。

琴栄峰関にとっても、自分の右腕を相手の左脇へ入れる場所が大切になります。相手の攻めを受けながら右を入れられるか。二人が右四つで組む形になったら、外側の左手がまわしへ届くかへ目を移します。

体が大きく動く結びの一番でも、入り口は腕一本かもしれません。最後に土俵を割った位置だけでなく、最初に欲しい形を取れたのは誰だったか。その場面まで持ち帰りたいです。

公式プロフィール:大の里関/琴栄峰関

見終わって「あの一歩で変わったかも」と思えたら、その場面を一つだけ覚えておきたいです。明日、同じ力士を観る楽しみが一つ増えます。

出典:日本相撲協会・三日目公式取組表PDF、各公式プロフィール。

9月15日11:14確認:豊昇龍関・若隆景関・若ノ勝関は初日から休場。三日目からの幕内追加休場は掲載されていません。最新の変更は協会の休場情報をご確認ください。