
まわしを取った、前へ出た。その少し手前で、どちらの腕が内側へ入ったのか。今日はそんな小さな場面を一つずつ拾ってみませんか。四日目の幕内全20番を、公式の取組順に並べました。気になる一番だけ開いて、観戦のお供にどうぞ。
2026年9月16日・九月場所四日目。成績は三日目終了時点。本文は公式取組表・プロフィールをもとにした独自の観戦メモで、勝敗予想や取組結果ではありません。東西は当日の取組上の位置です。
見たい取組へ移動
01|朝翠龍関―一意関
押し相撲の二人、組んだらどうなる?
三日目終了時点:朝翠龍関 2勝1敗/一意関 1勝2敗
朝翠龍関の得意技は押し。でも、公式の過去6場所の勝ち方では寄り切りが44%で最多です。一意関も押し出し35%、寄り切り30%。「押し相撲だから、まわしを取ったら困る」とは決められません。
今日は最初の押し合いが止まった瞬間に注目。腕を相手の脇へ入れるのか、もう一度離れて押すのか。十両の一意関を迎える幕内最初の一番で、二人の引き出しを見てみたいです。
02|翔猿関―湘南乃海関
20センチ差。見たいのは、背の高さより当たる場所。
三日目終了時点:翔猿関 0勝3敗/湘南乃海関 0勝3敗
公式プロフィールの身長は翔猿関173センチ、湘南乃海関193センチ。並ぶと目が行く20センチ差ですが、今回は翔猿関の手が相手の胸のどこへ届くかを追ってみます。
湘南乃海関は左四つも得意。翔猿関が押す間に左腕を内側へ入れられるか、それとも腕を外されるか。ともに三連敗で迎える一番。「大きい、小さい」で眺めていた体格差が、手を置く場所の違いに見えてきそうです。
03|朝紅龍関―寿之富士関
同じ右四つ。左手は、どちらが先?
三日目終了時点:朝紅龍関 3勝0敗/寿之富士関 2勝1敗
三連勝の朝紅龍関に、二勝一敗の寿之富士関。二人とも右四つを得意とします。右四つは、お互いの右腕が相手の左脇の内側へ入る組み方です。
そこまで同じ形になったら、次は外側に残る左手を見てください。寿之富士関の得意技には上手投げもあります。左手がまわしへ届くのか、相手が腰を引いて遠ざけるのか。投げが出るかだけでなく、その準備ができるかを楽しみたい一番です。
04|時疾風関―阿炎関
まわしまで、あと一本の腕。
三日目終了時点:時疾風関 2勝1敗/阿炎関 1勝2敗
時疾風関は左四つ・寄り・上手投げ、阿炎関は突き・押しが得意です。見たいのは、時疾風関が左腕を差すまでの距離。阿炎関の伸ばす腕を外したとき、胸へ近づけるでしょうか。
阿炎関の側から見るなら、手を突き出したあとに足も前へ出ているか。腕が伸びたまま足が止まる瞬間があるのか、すぐ次の一押しへつながるのか。大きな手の動きと小さな足運びを、交互に追ってみます。
05|千代翔馬関―朝白龍関
左を入れたい人と、右を入れたい人。
三日目終了時点:千代翔馬関 1勝2敗/朝白龍関 2勝1敗
千代翔馬関は左四つ、朝白龍関は右四つが得意。この組み合わせでは、二人が同じ側の隙間へ腕を入れようとします。得意な組み方が逆の「けんか四つ」です。
注目は、まわしより先に肘。千代翔馬関の左肘と朝白龍関の右肘、どちらが相手の体の内側に収まるか。外になった腕がすぐ差し直されるかも見逃したくありません。組み合って止まったように見える時間にも、形の取り合いがあります。
06|正代関―金峰山関
押されている間、右手はどこへ?
三日目終了時点:正代関 0勝3敗/金峰山関 2勝1敗
正代関は三日目まで白星なし。金峰山関は二勝一敗です。正代関の得意は右四つ・寄り、金峰山関は突き・押し。
今日は正代関の右手を追ってみたいです。金峰山関の押す腕の内側へ入れるのか、それとも外側で受ける形になるのか。金峰山関が前へ進んだ場面でも、正代関の右腕がどこに残っているかで、その先に組めそうかが変わります。後退した歩数だけでは見えない攻防です。
07|若元春関―獅司関
若元春関の左腕を、入口から追う。
三日目終了時点:若元春関 2勝1敗/獅司関 1勝2敗
若元春関は左四つ・寄り、獅司関は押しが得意です。まず獅司関の手が若元春関の胸へ届く位置、その下を若元春関の左腕が通れるかを見ます。
左腕が入ったら、次は右手。外側からまわしを取れるのか、まだ届かないのか。同じ「左四つになった」でも、片手だけなのか両手でつかめたのかで形は違います。今日は左腕の入口と右手の行き先を、一続きで追いたいです。
08|尊富士関―王鵬関
押したあと、一歩目を止めないのは?
三日目終了時点:尊富士関 2勝1敗/王鵬関 1勝2敗
尊富士関も王鵬関も、公式の得意技は突き・押し。最初の衝突だけで終わらず、その次に踏み込む足を見たい一番です。
手が相手に届いたあと、腰ごと前へ運ぶのか、上半身だけが前へ伸びるのか。一度相手の手を外したときに、もう一度正面へつけるかも気になります。力の強さを数字で想像するより、「押した次の一歩」を見る方が、二人の違いを拾えそうです。
09|藤青雲関―平戸海関
三連勝の藤青雲関。組む前、組んだ後。
三日目終了時点:藤青雲関 3勝0敗/平戸海関 1勝2敗
藤青雲関は三連勝。右四つ・寄りが得意です。平戸海関は突き・押しに加え、右四つ・寄りも公式プロフィールに挙がっています。
二人が右腕を差す形になったら、左手の位置へ目を移してみませんか。まわしを取るまでに押し合いが何度続くのか、組んでから相手の腰へ近づけるのか。立合いの速い動きと、その後の小さな持ち替えを両方楽しみたいです。
10|宇良関―錦富士関
足取りを待つだけでは、もったいない。
三日目終了時点:宇良関 2勝1敗/錦富士関 1勝2敗
宇良関の得意技は押し・足取り。錦富士関は左四つ・寄りです。珍しい技を期待してしまいますが、今回は宇良関が頭を下げたとき、錦富士関の腰と足がどう動くかを見てみます。
腰を遠ざけるのか、足を引くのか、その場で上から受けるのか。足取りが実際に出なくても、互いの姿勢が変わる瞬間は拾えます。宇良関の手元だけでなく、錦富士関の足元にも忙しくなりそうです。
11|狼雅関―一山本関
突く腕と、差す腕。先に空間を使うのは?
三日目終了時点:狼雅関 2勝1敗/一山本関 0勝3敗
狼雅関は右四つ・寄り、一山本関は突き・押しが得意です。一山本関は初白星を目指す四日目。狼雅関は二勝一敗で迎えます。
見たいのは、一山本関が腕を伸ばしたあとの二人の胸の距離。狼雅関が右腕を内側へ通せば近づき、突きが続けば離れた攻防になります。どちらが勝つかの予想とは別に、「今どちらが欲しい距離なのか」を考えて見ると、一押しにも反応したくなります。
12|朝乃山関―欧勝馬関
朝乃山関の足が、向きを変える瞬間。
三日目終了時点:朝乃山関 2勝1敗/欧勝馬関 2勝1敗
朝乃山関の得意は押し・右四つ・寄り。欧勝馬関は押し・いなしです。いなしは、相手を横へずらして体勢を崩す動き。今回は前へ出る朝乃山関の足が、横への変化にどうついていくかを見ます。
もし欧勝馬関が体をずらしたら、朝乃山関は胸を相手へ向け直せるでしょうか。反対に、欧勝馬関が正面で押す時間にも注目。いつ横へ動くかと待つと、動かなかった場面まで気になります。
13|隆の勝関―美ノ海関
三連勝の押しを、左腕が止められるか。
三日目終了時点:隆の勝関 3勝0敗/美ノ海関 2勝1敗
隆の勝関は三連勝で四日目へ。公式の得意技は押しです。美ノ海関は左四つ・寄り。
隆の勝関の両手と、美ノ海関の左肘を一緒に見たい一番です。押す手が胸へ届いていても、その内側に左腕が入る余地はあるのか。美ノ海関が組もうとした場面で隆の勝関が腕を外せるのかも気になります。「押している」「組もうとしている」が、同じ瞬間に起きるところを拾ってみます。
14|義ノ富士関―大栄翔関
初白星をかけて。右を差すまで、突きは続く?
三日目終了時点:義ノ富士関 0勝3敗/大栄翔関 0勝3敗
義ノ富士関、大栄翔関ともに三日目まで三敗。どちらかに今場所の初白星がつく一番です。得意は義ノ富士関が右四つ・寄り、大栄翔関が突き・押し。
大栄翔関の突きが続く間、義ノ富士関の右肘は内側へ入れるでしょうか。相手に近づこうとして上体だけ前へ出ていないか、足もついてくるか。星の数だけで調子を決めつけず、今日どんな形をつくるかを見届けたいです。
15|熱海富士関―藤凌駕関
熱海富士関が組む前に、藤凌駕関は何歩押せる?
三日目終了時点:熱海富士関 2勝1敗/藤凌駕関 1勝2敗
熱海富士関は右四つ・寄り、藤凌駕関は押しが得意です。熱海富士関の右腕が差さる前に、藤凌駕関が前へ運ぶ足を数えてみます。
一押しで決まらなければ、次は間合いの変化。熱海富士関が胸を寄せられるか、藤凌駕関が手を当て直して距離を保つか。押す場面と組む場面を別々に覚えるより、切り替わる瞬間を見たい組み合わせです。
16|琴勝峰関―藤ノ川関
琴勝峰関の右手と、藤ノ川関の押す手。
三日目終了時点:琴勝峰関 0勝3敗/藤ノ川関 2勝1敗
三連敗の琴勝峰関に、二勝一敗の藤ノ川関。得意技は琴勝峰関が右四つ・寄り、藤ノ川関が押しです。
注目は、琴勝峰関が右腕を入れようとしたとき、藤ノ川関がどこへ手を当てるか。胸へ押し続けるのか、腕を外す動きがあるのか。右手が一度入っても、そこで終わりではありません。まわしに届くまで残せるかを追うと、短い差し合いにも筋道が見えます。
17|安青錦関―伯乃富士関
右と左の取り合い、その手前には押しもある。
三日目終了時点:安青錦関 3勝0敗/伯乃富士関 0勝3敗
三連勝の安青錦関は右四つ・寄りが得意。伯乃富士関は突き・押し・左四つ・寄りを挙げています。組めば得意な腕が逆ですが、必ず組むとは限りません。
まず伯乃富士関がどんな距離で攻めるか。そのうえで組む形になったら、安青錦関の右肘と伯乃富士関の左肘が内側を取り合うところに注目します。得意な形を知っていると、そこへ行かせない動きも楽しめます。
18|豪ノ山関―琴櫻関
琴櫻関のまわしへ向かう手、豪ノ山関は外せるか。
三日目終了時点:豪ノ山関 1勝2敗/琴櫻関 3勝0敗
琴櫻関は三連勝。右四つ・寄り・押しが得意です。豪ノ山関の得意は突き・押し。今日は豪ノ山関の前進に加え、琴櫻関がまわしへ伸ばす手を見てみます。
その手が届く前に豪ノ山関が押し直すのか、琴櫻関が腕を差して距離を縮めるのか。押し込んだ位置だけで優劣を決めず、どちらの手が自由に動けるのかを確かめたいです。土俵の場所と腕の位置、二つの見方で追ってみます。
19|霧島関―琴栄峰関
霧島関の左、琴栄峰関の右。持ち替えまで見たい。
三日目終了時点:霧島関 2勝1敗/琴栄峰関 1勝2敗
霧島関は左四つ・寄り・投げ、琴栄峰関は右四つ・寄りが得意です。得意な差し手が逆なので、まず内側を取る腕の争いに注目します。
もし片方が狙う形になれなくても、次に何をするでしょうか。腕を差し直すのか、外からまわしを取るのか。一度組んだ形が最後まで続くとは限りません。まわしを持った手が離れて、別の場所へ伸びる一瞬を見逃したくないです。
20|大の里関―高安関
結びは、大の里関の右腕と高安関の次の一押し。
三日目終了時点:大の里関 3勝0敗/高安関 1勝2敗
三連勝の大の里関に、一勝二敗の高安関。大の里関の得意は突き・押し・右四つ・寄り、高安関は突き・押しです。
大の里関が右腕を差す形になるのか、二人が押し合う距離のまま進むのか。もし右腕が入ったら、高安関がそこから押し直すときの手の位置を追ってみます。大きな衝突の後、腕一本で二人の距離が変わるところまで楽しみたい結びです。
「得意技」は本人の相撲の型、「決まり手の傾向」は実際についた勝ち方の集計。二つを見比べると、得意な型へ行くまでの工夫も気になってきます。朝翠龍関・一意関の比率は、公式プロフィールに表示された過去6場所の勝ち方の割合です。
取組の出典:日本相撲協会・四日目の公式取組表。休場等による変更は公式の休場情報をご確認ください。