
内掛けは、自分の右足なら相手の左足、自分の左足なら相手の右足の内側へ掛け、その足を引いて相手の重心を失わせ、仰向けに倒す技です。「内」は土俵の中心側ではなく、掛けられる相手の脚の内側。次の一番では四本の足を全部追わず、勝った側の足一本が二人の脚の間へ入り、向かい側の脚を内側から引いたかだけを見てください。
四つに組んだ上半身は動いていないようなのに、急に一人の腰が沈み、背中が土俵へ向く。内掛けの入口は、まわしではなく二人の膝の間にあります。大きな身体のいちばん下で、一本の足が相手の土台をそっと引いていると気づくと、止まったような組み相撲が急に二階建てに見えてきます。
まず「向かい側の足」を一組にする
日本相撲協会は内掛けを、自分の右足なら相手の左足へ、自分の左足なら相手の右足へ掛ける技と説明しています。向かい合った二人の、正面に近い足どうしの組合せです。その相手の足へ内側から掛けて引き、重心を失わせて仰向けに倒します。
画面の右・左を数え続ける必要はありません。身体が回れば画面上の左右も変わります。勝った側の攻める足を一本だけ選び、その正面にある相手の足を相棒にする。この二本の間だけを見れば、速い足元にも座標ができます。
外掛けとは、同じ相手の足への入口が反対
外掛けも、自分の右足と相手の左足、または自分の左足と相手の右足を組にします。違いは、相手の脚の外側から掛けることです。内掛けは二人の脚の間に近い側から入り、外掛けは対象の脚の外周を回ります。
倒れた方向はどちらも後ろ向きになり得るため、仰向けになった姿だけでは分かれません。掛けた足がどこから来たかへ一秒戻ります。内か外かは土俵に対する位置ではなく、相手の一本の脚に対する入口です。
外掛けとの比較記事では入口の違いを詳しく扱っています。本記事では、内側へ入ったあと「相手の足を引き、重心を失わせる」という内掛けの一続きに焦点を当てます。
図の詳しい説明
カード1は相手の左右の支持を表す金の縦棒二本と、外側から対象の金棒へ向かう青い曲線と駒を置き、外掛けの相対的な外側だけを示します。カード2は同じ金棒二本の間から対象棒へ向かう青い曲線と駒を置き、内掛けの相対的な内側だけを示します。金棒は脚の形・太さ・間隔ではなく、青い駒も足や足首ではありません。曲線は一つの正しい軌道、掛ける高さ、引き、体勢、転倒方向や成功条件を表しません。左右は取組ごとに反転し得るため、同じ向かい側の足に対する内外だけを見ます。
ちょん掛けは同じ側のかかとへつま先を掛ける
ちょん掛けも、相手の足の内側から働く技です。ただし公式定義の左右の組合せが違います。自分の右足のつま先なら相手の右足のかかと、自分の左足なら相手の左足のかかとへ内側から掛け、手前へ引きます。同時に上体を反らし、相手を横または後ろへひねり倒します。
内掛けは右対左、左対右という向かい側の足。ちょん掛けは右対右、左対左という同じ側の足で、つま先とかかとの関係が公式説明に出ます。「内側から掛けた」だけで決めず、どの足どうしだったかを次の質問にします。
掛け投げは内股を跳ね上げる
掛け投げでは、四つ身の攻防から片足を相手の内股へ入れて掛け、跳ね上げながら投げます。内掛けも脚の内側が見えますが、相手の向かい側の足を引いて重心を失わせる技です。
足首寄りの脚を引いたのか、内股へ入った足が上へ跳ねたのか。接触した場所と働く方向を組にすると、「足を使ったから掛け投げ」という大きすぎる分類から抜けられます。
次の一番で見る一点
組み合いが止まったら、二人の膝の間に小さな窓があるつもりで見ます。勝った側の足一本がその窓へ入り、向かい側にある相手の脚の内側へ掛かって引いたら、内掛けを予想してください。相手の足が後ろへ抜け、背中が土俵へ向くまでを一本の動きとして追います。
相手が足を引き抜けば、内掛けは決まりません。でも、その小さな一歩はもう見落としません。上半身では腕がまわしを守り、足元では一本ずつ土台を守る。同じ取組の上下で別の会話が続いていることを知ると、動かない時間がなくなります。
似て見えても技名は映像だけで決めない
この技に似た手や倒れ方があっても、決め手となった動作、相手が崩れた順序、土俵を割ったか手をついたかで公式の決まり手は変わり得ます。画面の一角度だけで似た技・非技・反則との差を確定せず、当日の公式結果を答えにします。模式図は観察点を示すだけで、審判判定を再現するものではありません。
確度と当日の逃げ道
確認できたこと: 協会は内掛けを、自分の右足なら相手の左足(または逆)の内側へ掛け、その足を引いて重心を失わせ、仰向けに倒す技と説明しています。
まだ分からないこと: 足の組合せ、内外の接触、引く働きや決め手は映像で隠れます。重心移動の量、力、狙い、関節・痛み・けがは見た目から確定できません。
資料からの推測: 四本全部でなく攻める足と向かい側の脚を一組にして追うと、内掛け・外掛け等の候補を整理できます。確度は中で、観察法は公式判定条件ではありません。
編集部からの提案: 接触側と働く方向だけをメモし、人体図のような角度・力・安全な掛け方へ広げません。技術・医療指導ではありません。
うまくいかない時: 脚が重なる、足裏が隠れる、決め手が別に見える時は断定せず、公式結果を確認します。
出典
- 日本相撲協会「決まり手八十二手・内掛け」(2026年9月2日確認)
- 日本相撲協会「決まり手八十二手・外掛け」(2026年9月2日確認)
- 日本相撲協会「決まり手八十二手・ちょん掛け」(2026年9月2日確認)
- 日本相撲協会「決まり手八十二手・掛け投げ」(2026年9月2日確認)
確認に使った資料リンク
各リンクは記事内の対応する主張の確認に使用しました。リンク先全体を無条件に正しいとみなすものではありません。
記事確認日:
- 日本相撲協会 決まり手八十二手 内掛け一次資料(記事の確認日時点)
- 日本相撲協会 決まり手八十二手 外掛け一次資料(記事の確認日時点)
- 日本相撲協会 決まり手八十二手 ちょん掛け一次資料(記事の確認日時点)
- 日本相撲協会 決まり手八十二手 掛け投げ一次資料(記事の確認日時点)