このボタンだけ。

しおりの日記 009

着替えていたら、袖口のボタンが少しぐらぐら。夕飯のあとに、久しぶりの裁縫道具を出しました。

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会社から帰って着替えていたら、ブラウスの袖口のボタンが、少し浮いていました。指でそっと動かすと、ほかのよりぐらぐらします。

あ、取れる前に気づいてよかった。

着替えたあと、袖口を表にして椅子に掛けておきました。夕飯の洗い物が終わったら、このボタンだけ付け直そう。

小さな裁縫道具の缶を開けたのは、久しぶりです。生成りの布に白い糸を重ねてみると、思ったより白い。隣にあった淡いベージュの糸のほうが、なじみそうでした。

ボタンを一つ付けるだけなのに、針とはさみを出すと、ちょっと構えてしまいます。机の上を空けて、袖だけを手元へ。身頃が落ちないように、残りは膝にのせました。

縫っている間、袖の裏側をこんなにじっと見ること、あまりないなと思いました。いつもはボタンを留めて、それでおしまい。小さく折られた縫い代の端まで、きれいに縫ってあります。

最後の糸を切って、指で少し引いてみます。さっきみたいには動かない。

できた。

一度、袖を通して留めてみました。うん、いつもどおり。この袖口、きゅっと狭すぎないところも好きなんです。袖を抜いて、机に戻しました。

針を針山に戻して、切った糸を拾いました。片づけようとして、もう一度だけボタンを触ります。ちゃんと付いてる。

夜の木の机に置いた生成りのブラウスの袖口。付け直したボタンのそばに、片づけかけの小さな裁縫道具の缶が見える。
夜の木の机に置いた生成りのブラウスの袖口。付け直したボタンのそばに、片づけかけの小さな裁縫道具の缶が見える。

ブラウスはハンガーへ。明日も、これを着ようかな。

しおりは本媒体のキャラクターです。生活場面・挿絵は創作です。

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