藤ノ川関、そこから勝つんだ!
三大関戦を見返す日曜。気になったのは、苦しくなった、そのあとでした。
日曜の朝、藤ノ川関の、昨日の昇進祝賀会の話が目に留まりました。
会の前に関脇から落ちたら格好がつかない。そのプレッシャーが、九月場所の力になったそうです。
新関脇で十一勝。安青錦関、琴櫻関、霧島関の三大関にも全部勝っている。あの三番、どれもすんなり勝った相撲ではなかったよね。
並べて見たら、何か分かるかな。
今日は私も休みです。タブレットを立てて、ノートを開きました。

右足の、そのあとが気になって。
六日目の安青錦関戦。#002では、切り返しを二度外した藤ノ川関の右足に見入っていました。今日は、その先まで。
安青錦関が渡し込みを狙い、右手を伸ばす。そこで、藤ノ川関が右からすくう!

投げた!……まだ終わらない。
崩れた安青錦関に、右下手が深く入る。そのまま正面から寄って、寄り切り。
ここ、忙しい……! 切り返しを外しても、安青錦関は次の技を仕掛けてくる。ようやく外した、とほっとしたところで、今度は藤ノ川関の投げです。
前は右足ばかり追っていたので、そのメモの隣に「右すくい投げ → 右下手 → 寄る」と書き足しました。
投げで決まらなくても、そのあとにこんな形ができるんだ。「寄り切り」の一言からは思い浮かばなかったなあ。
琴櫻関戦は、同じ右でも外側。
お昼を挟んで、九日目へ。今度は、右腕の動きを追います。
琴櫻関の突っ張りで、もう土俵際。藤ノ川関が回り込んで残すと、左が入り、右は琴櫻関の腕の外側からまわしへ。
そこまで追い込まれていたのに、右上手を取っている!

あっ、ここで投げるんだ!
なお前へ出る琴櫻関に、右上手投げ。二人とも体勢が崩れて、先に土俵へ落ちたのは琴櫻関でした。
勝つと分かっていても、この決着は力が入ります。琴櫻関、最後まで前へ出てくるんですよね。
安青錦関戦では、右が内側へ深く入って寄り切り。こっちは外側から取った右上手で投げている。
ノートの矢印を描き直して、腕が内側を通るか、外側を通るかを書き分けました。安青錦関戦は、投げたあとに寄る。琴櫻関戦は、取った上手で投げる。書いてみると、順番の違いもはっきりしました。
左腕を抱えられても、前へ。
三番目は十二日目の霧島関戦。右のかち上げから突き押され、藤ノ川関が土俵際へ。ここも苦しい。
左へいなすと、霧島関の向きが変わる。そこを追う藤ノ川関。霧島関も向き直って、藤ノ川関の左腕を抱えます。

腕を取られた。あ、でも止まらない!
左腕を抱えられたまま前へ出て、最後はもたれ込むような押し倒し。思わず、こちらまで前のめりになってしまいました。
いなしたところで終わりじゃないんですよね。霧島関が向き直っても、腕を抱えられても、まだ攻めが続いている。
さっきまで、まわしを取る右手を追っていました。でも、この一番は左腕のところだけ見ていたら、前へ出ていく動きを見落としてしまいそう。少し戻って、今度は二人の体ごと追いました。
三番を並べて、もう一度。
ノートを並べるころには、窓の向こうが少し暗くなっていました。まず、苦しくなったところだけ抜き出してみます。
| 一番 | 藤ノ川関が受けた攻め | 決まり手 |
|---|---|---|
| 六日目・安青錦関戦 | 左上手を取られ、二度の切り返し | 寄り切り |
| 九日目・琴櫻関戦 | 突っ張りで土俵際へ | 上手投げ |
| 十二日目・霧島関戦 | かち上げから突き押され、土俵際へ | 押し倒し |
琴櫻関戦も霧島関戦も、突き押しで土俵際まで運ばれている。でも、そこから組んで投げるのと、いなして追うのとでは、ずいぶん違う。
「三番ともよく粘ったなあ」で一緒に覚えていたところに、それぞれ別のメモができました。
それから、霧島関には場所前に何度も稽古をつけてもらっていたそうです。六日目にも、霧島関がいろいろな技を仕掛けてくれたことを、藤ノ川関が話していました。十二日目は、その霧島関に初めて勝った日。
ああ、そうだったんだ。稽古をつけてくれた相手と、本場所であの攻防をしている。最後の押し倒しを思い返すと、また胸が熱くなります。
稽古では、どんな相撲を取っていたんだろう。ノートを閉じたのに、まだ少し気になっています。
次の一番で、見てみたいところ。
今日の三番から、気になったところを一つ。自分のひと言を添えて、次に見るときの手がかりにできます。
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外した、そのあと
六日目は攻めを外したあと、右すくい投げ、右下手、寄りへ。一つの技で終わらない、その続きを見たい。
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腕は内側、外側
六日目の右下手と、九日目の右上手。腕が通る側と、その次に続く動きを見分けたい。
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手だけでなく、体ごと
十二日目は左腕を抱えられても前へ。腕だけを追わず、二人の体の動きも見たい。
気になる一文をコピーして、ご自身のメモに残しておけます。
研究日誌 #007 で選んだ三番の記述から、見る手がかりをまとめています。取り口全体や、勝敗の原因を決めつけるものではありません。
調べた資料・取組のメモ
調べた資料・取組のメモ
- 日本相撲協会・藤ノ川関のプロフィールと星取表:令和八年九月場所の相手・日付・成績。西関脇、十一勝四敗、敢闘賞。
- 日刊スポーツ・関脇昇進祝賀会:会は十月三日、記事は十月四日朝。祝賀会を前にした本人の言葉。
- 日刊スポーツ・六日目の安青錦関戦:切り返しへの対応、右すくい投げ、右下手からの寄り、場所前の稽古についての本人の言葉。
- 日刊スポーツ・九日目の琴櫻関戦:土俵際で残し、左差し・右上手から上手投げに至る経過。
- 日刊スポーツ・十二日目の霧島関戦/同日の本人の言葉:いなしから押し倒しまで、初勝利、場所前の稽古への感謝。
- 日本相撲協会・決まり手解説:上手投げ/すくい投げ。
今日選んだ三番を比べた日誌です。藤ノ川関の取り口全体や、十一勝の原因を決めつけるものではありません。攻防は当日の取材記事、姿勢・まわし・サポーターは当日の写真で照合。取組の絵は記録をもとにしたイメージで、同じ場面の近景も含みます。資料確認:2026年10月4日。