お相撲、ちょっと調べたら。

藤ノ川関、そこから勝つんだ!

どすこい考古学研究会

研究日誌 #007 2026.10.04 しおり

藤ノ川関、そこから勝つんだ!

三大関戦を見返す日曜。気になったのは、苦しくなった、そのあとでした。

日曜の朝

日曜の朝、藤ノ川関の、昨日の昇進祝賀会の話が目に留まりました。

会の前に関脇から落ちたら格好がつかない。そのプレッシャーが、九月場所の力になったそうです。

新関脇で十一勝。安青錦関、琴櫻関、霧島関の三大関にも全部勝っている。あの三番、どれもすんなり勝った相撲ではなかったよね。

並べて見たら、何か分かるかな。

今日は私も休みです。タブレットを立てて、ノートを開きました。

日曜の朝、スマホのニュースに見入るしおり。タブレットで取組を見返し、開いたノートに書き留める三コマ。
午前

右足の、そのあとが気になって。

六日目の安青錦関戦。#002では、切り返しを二度外した藤ノ川関の右足に見入っていました。今日は、その先まで。

安青錦関が渡し込みを狙い、右手を伸ばす。そこで、藤ノ川関が右からすくう!

六日目|藤ノ川関 ― 安青錦関青:藤ノ川関 / 青緑:安青錦関
青い藤ノ川関と青緑の安青錦関が組む場面。接触の近景、大きな攻防、夢中でメモするしおりの四コマ。

投げた!……まだ終わらない。

崩れた安青錦関に、右下手が深く入る。そのまま正面から寄って、寄り切り。

ここ、忙しい……! 切り返しを外しても、安青錦関は次の技を仕掛けてくる。ようやく外した、とほっとしたところで、今度は藤ノ川関の投げです。

前は右足ばかり追っていたので、そのメモの隣に「右すくい投げ → 右下手 → 寄る」と書き足しました。

投げで決まらなくても、そのあとにこんな形ができるんだ。「寄り切り」の一言からは思い浮かばなかったなあ。

お昼のあと

琴櫻関戦は、同じ右でも外側。

お昼を挟んで、九日目へ。今度は、右腕の動きを追います。

琴櫻関の突っ張りで、もう土俵際。藤ノ川関が回り込んで残すと、左が入り、右は琴櫻関の腕の外側からまわしへ。

そこまで追い込まれていたのに、右上手を取っている!

九日目|藤ノ川関 ― 琴櫻関青:藤ノ川関 / ミントグリーン:琴櫻関 · 右上手を取った局面
青い藤ノ川関がミントグリーンの琴櫻関のまわしを右上手で取った局面を、接写と大きな構図で描く。しおりの横顔と肩越しのノートにつながる四コマ。

あっ、ここで投げるんだ!

なお前へ出る琴櫻関に、右上手投げ。二人とも体勢が崩れて、先に土俵へ落ちたのは琴櫻関でした。

勝つと分かっていても、この決着は力が入ります。琴櫻関、最後まで前へ出てくるんですよね。

安青錦関戦では、右が内側へ深く入って寄り切り。こっちは外側から取った右上手で投げている。

ノートの矢印を描き直して、腕が内側を通るか、外側を通るかを書き分けました。安青錦関戦は、投げたあとに寄る。琴櫻関戦は、取った上手で投げる。書いてみると、順番の違いもはっきりしました。

午後、もう一番

左腕を抱えられても、前へ。

三番目は十二日目の霧島関戦。右のかち上げから突き押され、藤ノ川関が土俵際へ。ここも苦しい。

左へいなすと、霧島関の向きが変わる。そこを追う藤ノ川関。霧島関も向き直って、藤ノ川関の左腕を抱えます。

十二日目|藤ノ川関 ― 霧島関青:藤ノ川関 / 濃灰:霧島関
霧島関を追う青い藤ノ川関、息を止めて見入るしおり、左腕を抱えられても全身で踏み込む大コマ、見届けて笑うしおりを描いた四コマ。

腕を取られた。あ、でも止まらない!

左腕を抱えられたまま前へ出て、最後はもたれ込むような押し倒し。思わず、こちらまで前のめりになってしまいました。

いなしたところで終わりじゃないんですよね。霧島関が向き直っても、腕を抱えられても、まだ攻めが続いている。

さっきまで、まわしを取る右手を追っていました。でも、この一番は左腕のところだけ見ていたら、前へ出ていく動きを見落としてしまいそう。少し戻って、今度は二人の体ごと追いました。

夕方

三番を並べて、もう一度。

ノートを並べるころには、窓の向こうが少し暗くなっていました。まず、苦しくなったところだけ抜き出してみます。

一番 藤ノ川関が受けた攻め 決まり手
六日目・安青錦関戦 左上手を取られ、二度の切り返し 寄り切り
九日目・琴櫻関戦 突っ張りで土俵際へ 上手投げ
十二日目・霧島関戦 かち上げから突き押され、土俵際へ 押し倒し

琴櫻関戦も霧島関戦も、突き押しで土俵際まで運ばれている。でも、そこから組んで投げるのと、いなして追うのとでは、ずいぶん違う。

「三番ともよく粘ったなあ」で一緒に覚えていたところに、それぞれ別のメモができました。

それから、霧島関には場所前に何度も稽古をつけてもらっていたそうです。六日目にも、霧島関がいろいろな技を仕掛けてくれたことを、藤ノ川関が話していました。十二日目は、その霧島関に初めて勝った日。

ああ、そうだったんだ。稽古をつけてくれた相手と、本場所であの攻防をしている。最後の押し倒しを思い返すと、また胸が熱くなります。

稽古では、どんな相撲を取っていたんだろう。ノートを閉じたのに、まだ少し気になっています。

次の一番で、見てみたいところ。

今日の三番から、気になったところを一つ。自分のひと言を添えて、次に見るときの手がかりにできます。

  1. 外した、そのあと

    六日目は攻めを外したあと、右すくい投げ、右下手、寄りへ。一つの技で終わらない、その続きを見たい。

  2. 腕は内側、外側

    六日目の右下手と、九日目の右上手。腕が通る側と、その次に続く動きを見分けたい。

  3. 手だけでなく、体ごと

    十二日目は左腕を抱えられても前へ。腕だけを追わず、二人の体の動きも見たい。

気になる一文をコピーして、ご自身のメモに残しておけます。

研究日誌 #007 で選んだ三番の記述から、見る手がかりをまとめています。取り口全体や、勝敗の原因を決めつけるものではありません。

調べた資料・取組のメモ

調べた資料・取組のメモ

今日選んだ三番を比べた日誌です。藤ノ川関の取り口全体や、十一勝の原因を決めつけるものではありません。攻防は当日の取材記事、姿勢・まわし・サポーターは当日の写真で照合。取組の絵は記録をもとにしたイメージで、同じ場面の近景も含みます。資料確認:2026年10月4日。

しおりしおりの暮らしと語りは創作です。文章・挿絵はAIを用いて制作しています。
企画・編集:どすこい考古学研究会