どすこい考古学研究会
研究日誌 #009
あれ、上手投げがない。
昨日、若元春関が全日本力士選士権で初優勝。33歳のお誕生日に優勝まで!
決勝の相手は宇良関、決まり手は上手投げでした。お祝いのあとも、この「上手投げ」が気になっています。九月場所では、何番あったっけ。
今夜は勝った日の欄だけ、ノートに拾ってみました。

あれ。ない?
九月場所は10勝5敗。その10個の白星に、上手投げが一つもありません。
十一日目に「上手」があったので指を止めたら、続きは「捻り」。翔猿関に勝った一番です。ここは、上手投げと分けておきます。
寄り切りに丸をつけたら、五つ。
いちばん多かったのは寄り切り。正代関、朝白龍関、王鵬関、寿之富士関、尊富士関。相手の名前を添えると、五番ありました。ちょうど半分!
四日目の獅司関戦は寄り倒し。こちらも合わせると、寄りで決まった白星は六つです。
白星10番の決まり手
若元春関|令和八年九月場所
横棒の全幅は10番。勝った取組のみを集計。
でも、残りの四つも気になります。
十日目の藤青雲関戦と十三日目の平戸海関戦は叩き込み。その間には、翔猿関への上手捻り、一山本関への押し出し。九日目からの六連勝だけをたどっても、決まり手は四種類ありました。
寄り切り、叩き込み、上手捻り、押し出し、叩き込み、寄り切り。
六つの白星に、同じ技だけが並んでいるわけじゃないんだ。
最初は昨日の投げを探していたのに、今はこの六日間の並びから目が離れません。
白星の日だけ、並べてみました。
若元春関|九月場所の10番。淡い緑は九日目からの六連勝。
| 日目 | 対戦相手 | 決まり手 |
|---|---|---|
| 1日目 | 正代関 | 寄り切り |
| 3日目 | 朝白龍関 | 寄り切り |
| 4日目 | 獅司関 | 寄り倒し |
| 6日目 | 王鵬関 | 寄り切り |
| 9日目 | 寿之富士関 | 寄り切り |
| 10日目 | 藤青雲関 | 叩き込み |
| 11日目 | 翔猿関 | 上手捻り |
| 12日目 | 一山本関 | 押し出し |
| 13日目 | 平戸海関 | 叩き込み |
| 14日目 | 尊富士関 | 寄り切り |
同じ「上手」でも、続きが違う。
さっき指が止まった上手捻りも、もう少しだけ。
相手の腕の外側からまわしを取るのが上手。その上手で投げるのが上手投げ、上手の側へひねり倒すのが上手捻りです。協会の分類でも、上手投げは「投げ手」、上手捻りは「捻り手」。名前の後ろまで、ちゃんと違うんですね。

ノートの「上手捻り」の下に、短く線を引きました。ひとまとめにしたら、今日気になった違いが消えちゃう。
一方で、寄り切りの五番だって、途中の攻防まで同じだったはずはありません。投げを試してから寄った一番があるかどうかも、この表だけでは分からない。決まり手の欄にないことと、途中で使っていないことは別でした。
ノートには「上手投げで決まった白星はゼロ」と書きました。途中で投げを試したかどうかは、また別の話です。
九月の五日目は、宇良関が外掛けで白星。昨日の決勝は、若元春関が上手投げで白星。
同じお二人の記録を横に書いたら、昨日の優勝がまたうれしくなってしまいました。
若元春関、おめでとうございます。勝ち方まで気になっちゃって、今夜も少し長くなりました。笑