お相撲、ちょっと調べたら。

あれ、上手投げがない。

どすこい考古学研究会

研究日誌 #009

あれ、上手投げがない。

研究日誌 #009|2026年10月6日(火)|しおり

昨日、若元春関が全日本力士選士権で初優勝。33歳のお誕生日に優勝まで!

決勝の相手は宇良関、決まり手は上手投げでした。お祝いのあとも、この「上手投げ」が気になっています。九月場所では、何番あったっけ。

今夜は勝った日の欄だけ、ノートに拾ってみました。

夜、自宅のタブレットを見て、ノートに勝ち星の記録を書き写すしおり。目元、手元、楽しそうな表情の三つのコマ。

あれ。ない?

九月場所は10勝5敗。その10個の白星に、上手投げが一つもありません。

十一日目に「上手」があったので指を止めたら、続きは「捻り」。翔猿関に勝った一番です。ここは、上手投げと分けておきます。

寄り切りに丸をつけたら、五つ。

いちばん多かったのは寄り切り。正代関、朝白龍関、王鵬関、寿之富士関、尊富士関。相手の名前を添えると、五番ありました。ちょうど半分!

四日目の獅司関戦は寄り倒し。こちらも合わせると、寄りで決まった白星は六つです。

白星10番の決まり手

若元春関|令和八年九月場所

寄り切り5
寄り倒し1
叩き込み2
上手捻り1
押し出し1

横棒の全幅は10番。勝った取組のみを集計。

でも、残りの四つも気になります。

十日目の藤青雲関戦と十三日目の平戸海関戦は叩き込み。その間には、翔猿関への上手捻り、一山本関への押し出し。九日目からの六連勝だけをたどっても、決まり手は四種類ありました。

寄り切り、叩き込み、上手捻り、押し出し、叩き込み、寄り切り。

六つの白星に、同じ技だけが並んでいるわけじゃないんだ。

最初は昨日の投げを探していたのに、今はこの六日間の並びから目が離れません。

白星の日だけ、並べてみました。

若元春関|九月場所の10番。淡い緑は九日目からの六連勝。

日目対戦相手決まり手
1日目正代関寄り切り
3日目朝白龍関寄り切り
4日目獅司関寄り倒し
6日目王鵬関寄り切り
9日目寿之富士関寄り切り
10日目藤青雲関叩き込み
11日目翔猿関上手捻り
12日目一山本関押し出し
13日目平戸海関叩き込み
14日目尊富士関寄り切り

同じ「上手」でも、続きが違う。

さっき指が止まった上手捻りも、もう少しだけ。

相手の腕の外側からまわしを取るのが上手。その上手で投げるのが上手投げ、上手の側へひねり倒すのが上手捻りです。協会の分類でも、上手投げは「投げ手」、上手捻りは「捻り手」。名前の後ろまで、ちゃんと違うんですね。

しおりの肩越しに見たノートとタブレット。右手のペンで一行に下線を引いたあと、ペンを置いて考えている二つのコマ。

ノートの「上手捻り」の下に、短く線を引きました。ひとまとめにしたら、今日気になった違いが消えちゃう。

一方で、寄り切りの五番だって、途中の攻防まで同じだったはずはありません。投げを試してから寄った一番があるかどうかも、この表だけでは分からない。決まり手の欄にないことと、途中で使っていないことは別でした。

ノートには「上手投げで決まった白星はゼロ」と書きました。途中で投げを試したかどうかは、また別の話です。

九月の五日目は、宇良関が外掛けで白星。昨日の決勝は、若元春関が上手投げで白星。

同じお二人の記録を横に書いたら、昨日の優勝がまたうれしくなってしまいました。

若元春関、おめでとうございます。勝ち方まで気になっちゃって、今夜も少し長くなりました。笑