
土俵下で自分の四股名をあしらった控え座布団を持参できるのは、幕内力士です。日本相撲協会の公式解説では、十両は共用の座布団、幕下以下は原則として座布団なし。十両土俵入り後の「幕下上位5番」だけは、幕下力士も十両用の共用座布団を使えます。小さな敷物に、番付の境目が現れています。
土俵へ上がる二人を待っている時、画面の端に座る次の力士が見えます。その座布団は好きな色で選ぶ私物のようにも見えます。ところが、名前入りか、共用か、そもそも敷かれていないかで、その力士の現在地が見えてきます。
四股名入りの「自分の座布団」は幕内から
十両以上を関取と呼びますが、関取になった全員が自分専用の控え座布団を持ち込めるわけではありません。協会の大相撲クイズNo.738は、四股名をデザインした自分の座布団を持参できるのは幕内力士と説明しています。
つまり「関取になった印」と「自分の座布団を持てる境目」は一致しません。十両へ昇進すると給与や装いなど多くの待遇が変わりますが、控え座布団は共用のものを使う。さらに幕内へ上がると、土俵下の一枚にも自分の四股名が現れる。この二段階を知ると、幕内昇進のニュースが少し立体的になります。
十両は共用、幕下以下は原則なし
公式解説が示す基本線は明快です。
- 幕内:自分の控え座布団を持参できる
- 十両:共用の控え座布団を使う
- 幕下以下:控え座布団はない
ここで座布団の色や図柄だけから力士本人を断定しないようにします。テレビの色調、別の力士の座布団が映り込む場面、設営中の写真もあるからです。番付や取組順を公式情報で確かめ、その上で「この人の四股名が入っている」と見つけるのが安全です。
また、これは観客が座るマス席の座布団とは別です。投げる・持ち帰る対象ではなく、これから土俵へ上がる力士が待つ場所を整える道具です。
幕下上位5番には、境界をまたぐ一瞬がある
十両土俵入りの後、十両の取組準備が整うまでに行われる幕下上位の5番を「幕下上位5番」と呼びます。協会の2026年1月の公式解説によると、この5番に出る幕下力士は、十両力士が使う共用の控え座布団を利用できます。
番付上はまだ幕下なので、自分の四股名入りを持てるわけではありません。しかし、いつもの幕下取組にはない座布団へ座る。関取まであと少しという位置が、順位表の文字だけでなく身体の下に現れる瞬間です。
これは「その5人は次に必ず十両へ上がる」という予告ではありません。番付昇進は成績と編成を経て正式発表されます。控え座布団が示すのは、当日の幕下上位5番という進行上の扱いであり、未来の地位を確定するものではありません。
座布団を見ても、取組を見失わない
控えの力士は通常、土俵上の一番が終われば次の準備へ動きます。四股名を読み取ろうとして今の取組を見失う必要はありません。仕切りの間やリプレーで画面の端に映った時、座布団の有無を一度だけ見る。それで十分です。
昼の早い時間から観戦すると、幕下の座布団なし、幕下上位5番の共用、十両の共用、幕内の四股名入りという変化を一日の中で追える可能性があります。番付表は上から下へ読むものですが、会場では時間が進むにつれて待遇の違いが一つずつ現れます。
次は「名前のある一枚」を一人だけ追う
幕内の取組が近づいたら、土俵下の四股名入り座布団を一枚だけ探してください。見つけた名前を取組表で確認し、その力士が土俵へ上がるまで待ちます。派手な装飾ではないのに、ただの待ち時間が登場前の数分へ変わります。
そして別の日、その力士が十両へ下がったり、十両の力士が幕内へ上がったりすれば、座る一枚も変わります。番付は紙の肩書だけではありません。髪、装い、塩、そして座布団まで、力士の周りに少しずつ形を与えます。土俵の外側を一度見るだけで、昇進の重みをもう一段好きになれそうです。
出典
- 日本相撲協会「大相撲クイズNo.738」(2024年1月16日公開、2026年9月3日確認)
- 日本相撲協会「大相撲クイズNo.1466」(2026年1月13日公開、2026年9月3日確認)
確認に使った資料リンク
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記事確認日:
- 日本相撲協会 大相撲クイズNo.738 控え座布団と番付一次資料(記事の確認日時点)
- 日本相撲協会 大相撲クイズNo.1466 幕下上位5番の控え座布団一次資料(記事の確認日時点)