相撲の日別成績をどう数える?|初日と千秋楽を公平に比べる

集計方法の補足:2026年10月9日比較対象と分母の説明を補足しました。資料の確認日は本文に記載しています。

「初日に強い」を調べる時は、まず誰の成績を比べるかを決めます。特定の力士、または場所開始時点の番付で選んだ地位の集団など、対象を先に固定します。一取組一行の原票には両者のID・地位・日目・結果・不戦の有無を保存し、比較用には対象力士一人につき一行へ展開します。土俵上の勝率を比べるなら、その日に実際に相撲を取った対象者の勝ち数を、対象者の出場数で割ります。休場や未実施を敗戦に置き換えません。

本場所が進むと途中休場が生じ、対戦相手の地位や成績も変わります。千秋楽のデータは初日の無作為な続きではありません。優勝争い、勝ち越し、負け越しが決まった力士の組合せも含むため、日目そのものの効果と断定できません。

全員を合わせた勝率が50%になる場合

同じ勝敗の付いた取組の両者をすべて数えると、全体は必ず1勝1敗ずつ増え、勝率は50%になります。日別の勝率を比較するなら、特定の力士や、場所開始時に決めた地位の集団など、対象を先に固定します。部門をまたぐ対戦で相手側を集計から除く場合は、この対称性が崩れるため、取組が載る部門と各力士の番付上の部門も分けます。

日別成績の具体例では、この落とし穴と、若元春関の九月場所を固定5日区分で比べる計算を示しています。単に全力士の勝率を初日と千秋楽で並べる設計は採用しません。

二つの集計表を作る

第一は、先に決めた対象者のうち、その日に相撲を取った人を含む表です。日ごとに勝ち数・負け数・出場者数・休場者数を示します。第二は、同じ対象者のうち指定期間の全日に実際に相撲を取った人へ絞った補助表です。後者では比較する顔ぶれがそろいますが、最後まで出場できた人を選ぶ偏りが生じます。両者の人数と計算結果を並べ、対象者の出入りが見かけの差を作っていないか確かめます。全取組の両者を集計した50%の表と、完走者だけの表を直接比べる設計にはしません。

不戦勝・不戦敗を含める場合は、同じ対象者について公式の勝敗が付いた結果を数える別表にし、その分母を明示します。土俵上で成立した取組だけの表とは混ぜません。幕下以下は毎日取組がないため、関取の十五日比較をそのまま移さず、取った番数や本人の第何番目かに合わせて設計します。

連続した日を独立とみなさない

同じ力士の15日分は互いに無関係ではありません。同じ一番の両者が対象集団に含まれる場合も、片方の勝ちはもう片方の負けなので、独立した二つの試行とは扱いません。割合とともに力士数・場所数・対象者の出場数・重複を除いた取組数を示します。複数場所を扱うなら場所ごとの違いも確認し、一場所の珍しい波を普遍的な「終盤力」にしません。

比較を事前に決め、都合の良い日だけ抜き出さないことも大切です。初日、七日目、八日目、千秋楽などを見るなら、なぜその区切りなのかを記事に書きます。

先に立てる問いと、結論を弱める条件

ここで検証する問いは「開始時に指定した力士または力士群について、日目ごとの勝敗割合に、複数場所でも再現する差があるか」です。日別の対象者数と相手の地位を同時に示します。差が見えても、相手、組合せ、出場状況が同時に変わるため、「千秋楽だから気合が増す」のような原因まではこの集計で判定できません。

同じ事前指定の対象者について、各日に相撲を取った人を含む集計と、指定期間の全日出場者に限る集計を並べます。さらに不戦を含む公式結果か、実際に相撲を取った結果か、単一場所か複数場所かを分けて再計算します。向きや大きさが条件で変われば、安定した日目差とは呼びません。場所中の値は確認できた日までの暫定値とし、未実施日はゼロで埋めず、千秋楽後に星取表と照合します。疲労、緊張、戦略といった内面は、この表だけでは分かりません。

十五日を一続きの観察へ

日別表の楽しさは、勝敗曲線の中で選択の変化を探せることです。初日は立合いの距離、八日目は最初の手、千秋楽は土俵際の足、と一つずつメモすると、数字が生身の十五日へ戻ります。「終盤に強い」と決めつけず、変わった一瞬を一緒に探しましょう。

日付と「何日目」を別列に持つことも忘れません。開催地や年が変われば暦日は違っても初日は初日です。一方、曜日の影響を調べるなら暦日から曜日を作り、日目の効果と混同しない表を用意します。

出典

  • 日本相撲協会「日別の取組・結果」「星取表」(2026年9月3日確認。場所終了後に確定値で再集計)

確認に使った資料リンク

各リンクは記事内の対応する主張の確認に使用しました。リンク先全体を無条件に正しいとみなすものではありません。

記事確認日: