
初日と千秋楽の勝率をそのまま比べません。日が進むほど休場者が抜け、勝敗に応じて取組の意味も変わります。日目の効果を語る前に、誰が残り、誰と組まれ、どの結果を分母へ入れたかを確認します。
公式の日別結果は一番ごとの一次資料です。ただし十五枚を縦に並べただけでは、公平な時系列比較になりません。千秋楽の表は、初日の出場者全員を追った同じ集団ではないからです。
日が進むと母集団が変わる
途中休場があれば、後半日の出場者数も顔ぶれも変わります。再出場、全休、取組が組まれない下位力士の日も区別します。「その日に負けが記録されていない」を勝ちへ置き換えず、成立取組、不戦、取組なしを別欄にします。
勝ち越しや優勝争いが見える後半は、同成績や近い地位同士が当たりやすくなる可能性があります。日別勝率の差には、疲労だけでなく相手の構成と取組編成が混ざります。公式結果から対戦相手、地位、その時点の成績を残し、曜日の物語だけで説明しません。
生き残りと後知恵を止める
十五日皆勤した力士だけを後から選ぶと、休場に至った経路が消えます。皆勤者分析と初日在籍者追跡は別表にし、どちらの質問に答えているかをタイトルへ書きます。
「千秋楽に強い力士」を探すなら、千秋楽まで出場できた場所だけを分母にする条件付き確率と、初日時点の全場所を追う率を分けます。対象力士を結果を見てから追加せず、期間、地位、最低場所数を先に固定します。
公開表に必ず付けるもの
- 日目ごとの成立取組数、不戦数、休場・取組なし数
- 対象部門、期間、番付範囲、再出場の扱い
- 力士単位と取組単位のどちらを分母にしたか
- 暫定値の取得時刻と、場所後の確定照合日
差が小さい時は順位を作らず、件数と幅を示します。十五日というきれいな横軸に引っぱられず、その日に土俵へ上がれた人の違いを残す方が誠実です。
読める差と、まだ読めない原因
問いは「同じ部門・期間・対象定義で、日目ごとの記録に差が再現するか」までにします。日ごとの疲労や緊張を仮説にするなら、勝敗表だけでは直接測れていないことを明記します。対戦相手の構成を調整したら差が消える、皆勤者と初日在籍者で向きが逆になる、場所を一つ外すと幅が大きく変わる——これは日目の物語を弱める反証です。
場所中の表は暫定で、千秋楽後に公式星取表と十五日分を照合します。後日休場記号や不戦結果が訂正された時は、旧値を残し、どの図と文章を直したかを更新履歴へ結びます。「差がなかった」も探索失敗ではなく、読者へ返すべき結果です。
次の一番で見るなら
一日だけ選び、その日の勝率を眺める前に取組表の顔ぶれを見ます。優勝争いの一番だけでなく、同じ星の二人がどんな相撲を選ぶかへ目を向けると、日別データが数字のカレンダーから取組編成の物語へ変わります。
出典
- 日本相撲協会「日別の取組・結果」「星取表」「休場力士情報」(2026年9月3日確認)
確認に使った資料リンク
各リンクは記事内の対応する主張の確認に使用しました。リンク先全体を無条件に正しいとみなすものではありません。
記事確認日:
- 日本相撲協会 日別の取組・結果一次資料(記事の確認日時点)
- 日本相撲協会 星取表一次資料(記事の確認日時点)
- 日本相撲協会 休場力士情報一次資料(記事の確認日時点)